入り口は義士

勧善懲悪、判官贔屓、お涙頂戴(?)。ある割合の日本人のメンタリティを確実に掴む忠臣蔵です。

臥薪嘗胆仇討ちを果たす、という全体像のみならず、主役脇役、登場人物一人一人の物語が涙無くして語れないというまさに魂を揺する物語、忠臣蔵。

子供の頃から本や映画で親しんできました。

それを語って聞かせてくれる演芸があるという、まさに講談との出会いでした。

実は吉良様は悪人ではなく名君だったとか、内匠頭が偏執狂だったとか、そういう事はどうでもいいのです。その噺を聴いている時間、心に響く何物かを感じられればそれでいいのです。

講釈師の皆さんが、「冬は義士、夏はお化けで飯を食い」と自嘲的にマクラを振りますが、魂の伝承者としての矜持の裏返しだと思います。

一龍斎貞寿さんが真打昇進披露興行で義士伝をやりますが、そういう事だと勝手に思っています。